「それで良かったんだよ」家族の中で生き続ける

近所に、ゴンの少し後に愛犬を亡くした女性がいます。夫も息子さんも早めに気持ちを切り替えてしまって、自分だけが取り残されていると話していました。私でよければいつでもお話を聞きますよと伝えると喜んでくれましたが、あの後、彼女はどうやって哀しみを乗り越えたのかな。

ゴンの旅立ちから4年半。わが家は、弟分のテツと新入りのこまと共に今日もドタバタ暮らしています。この2匹に癒やされたり元気づけられたりしてきたことも確かです。でもゴンの絵を描いたり、誰かとゴンの話をしたりすることで、徐々につらい時期から遠ざかることができたのだと思います。

自分がしたことを忘れようとしなくていい、あれで良かったのかと考える時があったっていい。そうやって、ゴンのことを想っていたい。

先日、テツがよく掘っている庭の片隅から、なんとゴンの名札が出てきました。てっきり散歩中に失くしたと思っていたのです。10年近くも庭に埋まっていたとは! 驚きました。私は、ゴンがテツに掘らせたんじゃないかって思っています。これはきっとゴンからのプレゼント。ゴンは「あれで良かったんだよ」って言ってくれている。そう思えてならないのです。

ほっぺたをはさまれてご満悦のゴン 撮影/村田わかな『柴犬ゴンとテツのポカポカ日和』(KADOKAWA/メディアファクトリー)より