「ホラー小説、モキュメンタリーのブームの中で」

福原さんのお店では、最近のホラー小説、いわゆるモキュメンタリー小説などと併売しているという。

未来屋書店碑文谷店での『くますけと一緒に』ディスプレイ
東京都目黒区の未来屋書店(写真提供:未来屋書店碑文谷店)

「店頭でも昨年の夏あたりから、ホラーのコーナーはどこですか? という問い合わせが増えました。これまで、小説を読んでいなかった人がホラー作品を読み始めているんだと思います。売れ筋のホラーと併売していますが、(『くますけ~』は)思い入れのある作品なので、くまのぬいぐるみを置いたり、力を入れています。調べてみたら、文庫ランキング1位でした!(1月~2月3日現在)」

そして、感想を寄せてくれた書店を中心に、注力店舗が拡大し、2万部の重版が決定。

書店員さんの熱量によって、復刊した本作。「2025年はこのクマが怖い!」

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