103万円の壁が意識されてきたワケ

これまで103万円の壁が意識されてきたのは、妻の所得税よりも夫の配偶者控除の影響によるところが大きかったのではないでしょうか。

かつては、妻の年収が103万円を超えると、配偶者控除を受けられなくなり、夫の手取りが減ってしまったためです。夫の手取りのために妻が収入を制限するというところに「はて?」と思うのですが……。

そんな配偶者控除の壁も、すでに解消されています。妻の年収150万円までは配偶者特別控除を満額受けられるので、夫の手取りが減ることはありません。また、103万円の壁の引き上げにともなって、150万円の壁も160万円に引き上げられます。

今後は、妻の年収が160万円を超えたところから夫の配偶者特別控除が減り始めます。控除が完全になくなるのは201万円で変わりません。

★夫の会社の「扶養手当」の壁が103万円の場合もあります。

※本稿は、『知らないと増えない、もらえない 妻のお金 新ルール』(講談社)の一部を再編集したものです。


知らないと増えない、もらえない 妻のお金 新ルール』(著:井戸美枝/講談社)

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