帯状疱疹の正しい知識の啓発を目的とするテレビCMを目にする機会も多いのではないだろうか。写真は、俳優の風吹ジュンさん、阿南健治さんを起用したグラクソ・スミスクライン株式会社が放映するCM。風吹さんは基礎疾患のある患者役で、医師との対話の必要性を伝える。阿南さんは、実際の体験者でもあるという

「ブースター効果と言って、過去に獲得した免疫は、再度ウイルスに触れることでさらに増強されます。しかし水疱瘡にかかる子どもが減り、親・祖父母世代のウイルスに接する機会も減ってしまった結果と言えるでしょう」(吉木院長)

発症後すぐに抗ウイルス薬を服用すれば、帯状疱疹は1週間程度で治る。これに、痛みを抑える鎮痛剤が処方されるのが一般的だ。症状が重いときは抗ウイルス薬を点滴するため、入院が必要となる。

しかし皮膚の発疹がなくなったあとも、刺すような、焼けるような強い痛みが残ったり、3ヵ月以上痛みが続いたりした場合は帯状疱疹後神経痛(PHN)が疑われ、神経痛の治療に移行する。

50歳以上を対象に行われた疫学調査(SHEZスタディ)によると、帯状疱疹患者の約20%、80代では30%以上がPHNを発症している。

「PHNを発症すると、ウイルスが神経そのものを損傷するので通常の鎮痛剤が効かず、神経因性疼痛の薬を使ったり、神経ブロック注射を打ったりといった治療が必要になります。神経を修復する力は年齢とともに低下するので、80代であれば年単位の治療になると考えたほうがいいでしょう」(吉木院長)