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入院は1ヵ月に及んだ。医師からは「あと1週間は入院の必要がある」と言われたが、ちょうど旅行の予定が入っていたため、田村さんは強引に退院してしまったという。

「いま思うと、それがいけなかったんでしょうね。坐骨神経痛になり、歩くのも不自由なほどの痛みが残ってしまったんです」

PHNを治療する病院があると聞いて行ってみたが、マッサージと高周波治療のみで、半年通っても効果は得られなかった。その後、いまも通うペインクリニックでブロック注射を受け始める。田村さんのようにPHNに苦しむ患者がたくさんいて、注射室にある8台のベッドのほとんどを占めているという。

「カーテン一枚で仕切られているだけなので、患者さんと病院側のやりとりが聞こえてくるんです。痛みが残った場所が耳の中や口の中、顔……とさまざまで、どの方もつらい思いをしているのが伝わってきますね」

17年もの間、注射に通い続ける生活になってしまったことを、田村さんはこう受け止めている。

「注射するといくぶん楽になりますが、それだけでは足りず、鎮痛剤も1日3回飲んでいます。歩くときには杖を使いますが、長時間歩いたり、階段を上ったりするのはつらいですね。それに一度でも通院を休むと、最後に打った注射の10日後くらいから痛みが出始めてしまうんです。痛み止めは生活の一部と考えて、一生うまくつきあっていくしかないと思っています」