施術数が3倍に増加
そうした中で、日本では、近年特に美容医療を行うクリニックなどが急増しています。
厚生労働省の調査によると、全国の美容医療の施術数は、2019年の約123万回から、2022年には約373万回と3倍程度に増加していることがわかっています※3。
美容医療といっても幅が広いですが、例えば2022年に行われた外科的手技によるものだと眼瞼形成(まぶたを二重にするなど)45・4万回、フェイスリフト(顔のしわ・たるみの改善)8・4万回の順に多く、非外科的手術によるものでは脱毛が61・2万回、ボツリヌス菌毒素注入(しわの改善など)が55・7万回の順に多かったと報告されています。
こうした美容医療が増加した理由としては、さまざまな要因があると考えられますが、一つに若い世代の価値観の変化があります。リクルート社の2023年の調査によれば、美容医療を受けることについて、10〜20代の女性と20代の男性の半数以上が「抵抗感・違和感がない」と回答しており、他の世代よりも多くなっています(図16)。

『現代日本の医療問題』 (著:木下翔太郎/星海社新書) 図を拡大