若い世代にニーズ

これは、美容医療が、一般医療と異なりビジネス的観点から需要の多い地域に集中しているからと推察されます。

こうした急激な美容医療の増加は、若い世代のニーズに応えたものなのかもしれませんが、問題もあります。美容医療は保険適用されない自由診療にあたるため、価格設定が医療機関によってばらつきがあります。

保険診療の場合は、同じ治療・医薬品であれば全国一律の価格になるため、患者がおかしな値段で治療を受けることはありません。しかし、自由診療の場合は、患者側が適正価格や相場がわからないため、交渉次第では非常に高額な契約を結ばされてしまうこともあります。

例えば、広告をみて来院した患者に対し、理由をつけて広告よりも高い値段で契約させたり、広告とは別の高額の治療を勧誘したりといった、ビジネス的な顧客単価向上(アップセル)手法が多く行われていることも問題視されています。

写真を拡大 『現代日本の医療問題』 (著:木下翔太郎/星海社新書)