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そこで大学2年生のときに1年間休学して、世界20か国を巡ったバックパックの旅の楽しさを思い出したのです。

旅行業だったら、英語も活かせるし、自分も楽しみながら働けると思い、心が決まります。「暮らすように旅する」というコンセプトで、民泊を活用した長期滞在型の個性的な旅行をインターネットで販売するという事業を立ち上げることになります。

そこからのTさんは実にパワフル。ゼロから情報収集をした結果、旅行業を始めるにはやらなければならないことがたくさんあることがわかり、次々とこなしていきます。

中でも難関は合格率15%の「総合旅行業務取扱管理者」という資格の取得。勉強のためにあわてて会社を辞めて、4か月間集中して学んで見事1発で合格。無事に60歳でひとり起業しました。

開業当初は集客に苦労しましたが、同窓会や同業者の会などに積極的に参加してネットワークを広げ、軌道に乗せていきました。

Tさんのお話を聞いていると、添乗でお客様と一緒に旅をしたり、空港で解散したあとひとりで近国をふらりと旅することもあるとのことで、実に楽しそうです。

「起業には苦労はつきもの。英会話教室ではワクワクが足りず途中でやめていたかも」と話しています。