世の中を見渡せば、若者の非正規雇用や早期離職が社会問題化していることもあり、「若者の就職活動を支援する」という仕事には大きなやりがいがありそうでした。

「心からやりたいと思える仕事」に気づいたYさんはさっそく専門学校に入学。61歳にしてキャリアコンサルタントの資格を取得しました。

けれども実務経験はなく、自身で顧客を集めるノウハウもない。そこでシニアの就業を支援する派遣会社に登録をします。

登録後、30件ほどマッチングの不成立が続きましたが気長に待ち、やがて大学のキャリアセンターでの学生の就職支援、勤務は週1〜3日という理想的な仕事が舞い込んできたのです。

こうしてYさんは、キャリアコンサルタントとして大学生に向き合いながら、学生時代にあきらめたクラシックギターを習ったり、家族と旅行を楽しんだりと充実した日々を過ごしています。

派遣は「雇われない働き方」ではありませんが、はじめの一歩として活用するのは良い方法です。
 

※本稿は『60歳の迎え方 定年後の仕事と暮らし』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

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60歳の迎え方 定年後の仕事と暮らし(著:河野純子/KADOKAWA)

「とらばーゆ」元編集長にしてライフシフト・ジャパン取締役CMO、人生100年時代のライフシフトを研究する著者がひもとく、60歳からの仕事と暮らしのリアル。
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