誰もが他者から認められたいと思っている

人間は周囲に認められ、自信を持ってこそ、社会の中で自分らしく生きていける。他者が認めてくれてこそ、自分を自分だと感じられる。

だから、人は誰もが他者の目を求めている。他者から認められたいと思っている。

ところが、残念ながら周囲の人はなかなか認めてくれない。ほめてくれることも少ない。それどころか、時には存在していることさえも忘れられているかのように扱われる。

そのようなとき、きちんと仕事をし、的確な対応をすることで存在感を示すのが望ましいが、なかなかそのような仕事をすることも、価値を認めてもらえるような言葉を発するのも難しい。

そこで、つい自分の存在を示そうとして、行きすぎたり、やり方が下手だったりしてしまう。

認めてほしい、自分の存在を叫びたいという気持ちが外にありありと現れる。こうして、自分の存在を主張して、愚かなふるまいを示すことになってしまう。

頭のいい人が人前でやらないこと』(著:樋口裕一/青春出版社)