見苦しい言い訳

言い訳が長いと、たとえ事実であったとしてもウソくさくなってしまって、説得力をなくす。詳しく説明すればするほど意味がなくなる典型的な例だ。

そのほか、その場逃れのありそうもない話をする人もいる。「ひかれそうになったお年寄りを助けていたので、遅くなりました」「外国人が道に迷って困っている様子だったので、案内をしていました」などなど。

これについても一度ならそんなこともあるだろうが、二度三度とテレビドラマの中の1シーンのような話をされると、ウソつきの愚か者とみなされることになる。

もっと見苦しいのは、予防線を張るタイプの言い訳だ。このタイプの人はしばらく前まで威勢のいいことを言っていたのに直前になるとトーンダウンする。

難しい仕事の指示をされると、「ほかの仕事がたくさんあって十分に準備する時間が取れませんので、可能かどうかわかりませんが」などと言い出す。

要するに、「もし失敗しても、能力が劣っているわけではありません。たまたまできなかっただけなのです」と言おうとしているわけだ。

これについても、事あるごとにこのタイプの言い訳を使っていると、周囲に愚かさが伝わってしまう。

 

頭のいい人が人前でやらないこと』(著:樋口裕一/青春出版社)