白濁したレンズを提案
目が見えない役を考慮し、演出の方には、「早くは動きたくないです」とはお伝えしました。丁寧に状況を把握し裏の裏をかく様を通して視聴者の皆様にも検校の謎に包まれた本音を想像していただく余韻を作る為にモーションはとにかくゆっくりにしました。
私の提案で、白濁したコンタクトレンズを入れました。視界がいつもの20%くらいしか見えません。輪郭は何となくわかるけれど、横から光が入ると反射で視界がゼロになる。なので、テストでは入れず、本番だけ装着しました。
早めに先に現場に入って、念入りに動きの確認をしていました。目が見えない状態なので、普段とは全く違う芝居になりました。まばたきもしないようにしていました。
検校のすべてを見透かしているような、実は目が見えているんじゃないかと思わせるような所作は難しかったですが、どうすればいいのかと悩み続けることが役作りであり、その迷いが芝居に出ればいいなと思っていました。