『彼女がそれも愛と呼ぶなら』((c)一木けい/幻冬舎/ytv)

<前回のあらすじ>

氷雨は生物学専攻の大学院生。彼がアルバイトするカフェには、毎週決まった時間に訪れる一人の女性がいた。彼女の名前は伊麻。氷雨は、知的で独特の価値観を持つ彼女へ思いを寄せ始めていた。

ある日、氷雨は彼女から「モンブラン食べに行くけど…氷雨くんもどう?」と声をかけられる。社交辞令に決まっている、と自らに言い聞かせる氷雨。

結局伊麻がケーキ屋に行くと言っていた時間にはアルバイトが入ってしまったが、バイト後、気になった氷雨がケーキ屋の近くを通ると、そこにはひとりたたずむ伊麻の姿が。約束をすっぽかしたことを謝る氷雨に、氷雨のことを考えて待っている時間すら楽しかったと答える伊麻。

関係を一歩踏み出そうとした氷雨だったが、伊麻は「その前に話しておきたいことがある」と告げる。そして、氷雨が伊麻の家を訪れると、そこには伊麻と親しげな二人の男性、亜夫と到の姿が。

困惑する氷雨に明かされたのは「二人とも恋人」だという事実。

氷雨に対して伊麻は、「氷雨くんのこと好きだよ。でも、到のことも亜夫のことも同じくらい好きなの」と想いを伝える。

一人を愛することが当たり前だと思っていた氷雨は、伊麻の愛の形を受け容れることができるのか――。