漢方薬の効き方が一定でない背景
また、こむら返りに対する芍薬甘草湯の速効性は誰でも必ず実感できますが、例えば月経痛に対して芍薬甘草湯を頓服で使用したような場合は、効果を示す人(レスポンダー)と、効果を示さない人(ノンレスポンダー)がいます。
これは芍薬甘草湯に限ったことではなく、「ちょうどぴったりの病態を示した人」に処方しても、漢方薬は人によって効き目が異なったり、同じ人でも効くときと効かないときがあったりします。さらに、漢方薬の多くは速効性があるにもかかわらず、3か月、6か月経ってからやっと効果が出てくるケースもあります。
そのため、新薬(西洋薬)の“いつでもクスリ”に慣れている現代の人たちにとっては、「こんなあいまいな効き方をするのはクスリではない」「やっぱり漢方なんてダメだ」と思われがちです。
しかし実は、漢方薬の効き方が一定でない背景には、腸内環境の乱れが深く関わっている可能性が浮上しています。