経済ジャーナリストの荻原博子さんが、お金に関するお得な情報をわかりやすく解説する新連載「トクする!荻原博子のマネーNEWS」。今回は「高額療養費制度を確認しよう」です。(イラスト:さかがわ成美 「婦人公論」2025年5月号より掲載)
高額療養費制度を確認しよう
今話題の「高額療養費制度」の改悪案は、反対多数で先送りになりました。知らない人も多いので、どれほど素晴らしい制度かおさらいしておきましょう。
公的保険では、年齢や年収により異なりますが、自己負担は1~3割。70歳以上でも、現役並みの所得(年収約370万円以上)があれば3割負担になっています。
3割負担の場合、月100万円の医療費がかかったら自己負担は30万円ですが、高額療養費制度があるので9万円弱。一般的な所得(年収156万円~約370万円)の70歳以上の場合なら、5万7600円になります。しかも、長期入院なら4ヵ月目からは4万4400円と、さらに減額に。
また外来の場合、一般的な所得の70歳以上の自己負担は月1万8000円、年間14万4000円が上限となります。
ですから、月100万円の入院治療を1年間受けて医療費が総額1200万円かかったとしても、自己負担は60万円にもならないということ。それくらいなら、貯金でなんとかできる方も多いでしょう。