警察官は停職3カ月

ただ、5人の裁判官のうち1人は男性の事故より後の18年に「教職員以上に自制すべき」警察官が酒気帯び運転をした事案で、県が停職3カ月の処分にとどめたことに着目。一部支給を認めた二審判決を支持し、反対意見を書いた。

男性が長年、実直に職務にあたってきたことは誰も否定していない。それでもたったひとつの不始末で努力の結晶ははかなく消えた。

飲酒運転による死亡事故は毎年100件以上起きている。取り返しの付かない事態を招かなかったことは、せめてもの救いというべきかもしれない。

※本稿は、『まさか私がクビですか? ── なぜか裁判沙汰になった人たちの告白』(日経BP)の一部を再編集したものです。


まさか私がクビですか? ── なぜか裁判沙汰になった人たちの告白』(著:日本経済新聞「揺れた天秤」取材班/日経BP)

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