血圧、血糖値、悪玉コレステロール値高めはリスク大
「今のところ、まったく気になる症状はありません」という方でも、血管病のリスクを抱えている場合があります。それは高血圧、糖尿病、高コレステロールと診断された人。
血圧が高い状態は、血管壁が過剰に収縮し、血管に負担をかけ続けています。そのため、高血圧の人は血管が疲弊しやすく、老化が早いのです。また、血糖値とLDL(悪玉)コレステロール値が高い人は、血液中に過剰な糖やLDLコレステロールがあふれ、血液がドロドロの状態。血管に負担がかかるので、動脈硬化のスピードが加速します。健康診断などの血液検査で、この3つの項目は必ずチェックしましょう。
基準値を超えた人は赤信号ですし、正常範囲内でも基準値の上限に近い数値が出ている場合は黄色信号。血管ケアが必要です。また、血液検査の値が正常でも、肥満の人、喫煙習慣のある人は血管病のリスクを抱えています。40歳を過ぎたら自分の健康を過信せず、強い血管を作る生活習慣を意識したいものです。
強い血管は「内皮細胞」の状態で決まる
では、強い血管を作るためにできることは何でしょうか。そのカギは、「内皮細胞」にあります。血管は「外膜」「中膜」「内膜」の3層構造になっており、一番内側の内膜の中にあるのが「内皮細胞」です。
加齢や悪しき生活習慣により硬くなった血管は、元のやわらかくしなやかなゴムホースのような状態に戻すことはできません。できてしまったこぶも小さくなることはありません。しかし唯一、血管の内側にあるこの「内皮細胞」はケアによって、いい状態に生まれ変わらせることができ、こぶができても詰まりにくくすることができるのです。
内皮細胞は、皮膚のようにターンオーバー(生まれ変わり)します。皮膚は約28日周期で生まれ変わりますが、内皮細胞のターンオーバーは約1000日。長いと感じるかもしれませんが、疲れて傷ついた細胞組織が3年弱で生まれ変わり、血管の内側が強くなるならケアをしない手はありませんね。