内皮細胞をよみがえらせる3つの習慣

内皮細胞は、血管壁を守る「バリア機能」と、血管の拡張を促す「活性化機能」という2つの機能を備えています。これにより血液をよどみなく流し、血管壁を広げて血圧を下げ、血管の負担を減らすことができるのです。内皮細胞を元気に保つコツは、「内皮細胞の負担を減らし、良い刺激を与える」こと。そのためにできることは3つあります。

まず1つめは、内皮細胞を傷める要因を減らすこと。たとえば血液中のLDLコレステロールや血糖は、ストレスや生活習慣の悪さによって増える活性酸素の攻撃を受けやすく、これと結びつくことで悪玉物質へと変化するのです。

そしていずれも血管壁に侵入してこぶに入り込み、動脈硬化を促進させます。つまり、血糖値やコレステロール値を下げ、抗酸化力の高い食品を摂る、ストレスを減らすことなどで、内皮細胞を守ることができるのです。

次に、血圧を上げる要因を減らすこと。高血圧は血管病にとって最大の脅威です。なぜなら、動脈硬化の引き金になるばかりか、血管に血液を送り込むのに大きな力を必要とするので心臓に負担がかかるからです。血圧を高める主な原因は、肥満と塩分の摂り過ぎ。減塩の習慣と肥満の改善・予防により、いきいきとした内皮細胞に生まれ変わります。

なお、高血圧の判断基準は、医療機関や健康診断で測定する場合、上が140㎜Hg以上、下が90㎜Hg以上であれば高血圧となります。家庭で測定する場合は上が135㎜Hg以上、下が85㎜Hg以上となります。

3つめはサラサラ血液を心がけること。血管内を血液がスムーズに流れていると、内皮細胞に良い刺激が与えられ、血管を拡張して詰まりを防ぐことができます。ドロドロ血液の原因は、脂質と糖質の摂り過ぎ、食べ過ぎと栄養バランスの偏りです。バランスの良い食事は、内皮細胞を元気にすると覚えておきましょう。

次のページに「突然死リスクを下げる10のヒント」をご紹介しましたが、最も重要なのは食事です。とくに塩分の摂り過ぎが高血圧を招き、血管の老化を速めることになります。