「最終的にたどり着いた医師が、「他の先生の話を聞いてみたいと患者から言われて、気分を害するような医師とは関わらなくていいんだよ」と。それで勇気が湧きました」

ステント治療をするために転院しましたが、最初にお世話になった先生にどう伝えようかと気が重かったのも事実です。でも最終的にたどり着いた医師が、「他の先生の話を聞いてみたいと患者から言われて、気分を害するような医師とは関わらなくていいんだよ」と。それで勇気が湧きました。

セカンドオピニオン、サードオピニオンを受けることをためらっている方には、心から信頼できる医師との出会いを大切にしてください、とお伝えしたいと思います。自分の命は自分で守るという姿勢は、悔いのない人生と直結しているのですから。

 

経験者だからこその新たな伝え方

脳梗塞を患ったことはショックでしたが、それ以上に仕事や自分との向き合い方を見つめ直す転機となりました。「今回はたまたま致命的な部位から外れていたので、後遺症もなく元に戻れた」という医師の言葉が忘れられません。

人間って、何でも自分で意思決定できると過信しがちですよね。私も以前は、がむしゃらに努力をすればある程度のことは叶うはず、なんて傲慢なことを思っていました。でも人生はままならないもの。自然の流れに身を委ねて生きていくのは大事なことだと思えるようになり、ずいぶんと柔軟な考え方ができるようになったと思います。

以前は仕事第一の生活でしたが、今は命と健康が最優先です。疲れていることに気づけなくなるほど忙しい生活はせず、疲れたなと感じたら迷わず休むようになりました。

脳梗塞の予防には水分補給が欠かせないということで、一日に2リットルの水を小分けにして飲むのが日課。お茶ではなく、水というところがポイントです。以前はまったくやらなかった運動も、今はフルマラソンを走れるまでになりました。