失わない人生はない
前半はつらい展開が続きますし、週のタイトルには「人間なんてさみしいね」とか生きる厳しさを感じさせるものもありますが、一番力を入れているところです。何も失わない人生などありません。のぶと嵩にも、いろんな別れがたくさんあります。深い悲しみを何度も乗り越えたから、アンパンマンが生まれたと私は思っています。
やなせさんは、人生にはつらいことが多いからこそ、物語や楽しい音楽が必要だと、すごく感じていた方だと思います。ただ、ドラマなのでどうやって楽しく面白く、皆さんに届けられるかを日々考えながら書いています。
キャストの顔合わせのときにも、「つらいことが続きますが、毎日毎朝観て元気になれるドラマにしたいので、楽しく明るくやってください」とお願いしました。深い悲しみを味わわなければ、喜びも幸せもわかりません。それがやなせさんの作風であり、2人の人生だと思っています。