紫式部先輩
一方、紫式部本人も、自身の日記には、ライバル清少納言に対する嫉妬のような悪口を書いている。
「得意げに漢字で書き散らしているけれどよく見ると間違いも多いし大した事はない。他人より特別優れていると思い込んでいて情けない。こんな人の行く末はきっとよくない」
美しくて才能ある歌人、和泉式部にも「歌はめっちゃうまい。でも和泉はけしからん」……てな具合。
紫式部先輩、めちゃくちゃ嫉妬してるじゃん!
1000年以上前の作家たちも同じなのかと思うと感慨深い。
令和の片隅に生きるエッセイストの私は、偉大な先輩方に嫉妬しないが、同じ時代のエッセイストには嫉妬の炎をメラメラと燃やしまくっている。
私はエッセイストと名乗り始めて3年になる。20代からずっとブログを書いていたものの、お金になり始めたのはここ数年のことだ。
棚ぼた的なラッキーチャンスにしがみついてなんとかここまでやってきたが、学校で文学を専攻したり出版社で働いたりしていない私は、文章をどこかでしっかりと学んだ経験がない。自信なんてあるはずもなく、足元はもうゆるゆるのグラグラ。ヒョイっと押されたらたちまちグシャっと崩れ落ちてしまう。