蔦重と背中を押し合って

――ここまで「蔦重を生きてきた」心境を教えてください。

たまに自分自身とリンクするときはあります。蔦重も力をつけてきて、叶えられる望みと叶えられない望みがあるという壁にぶつかっています。

自分もたくさんの方々に知ってもらえるようになって、でもできることとできないことがあるし、そういうときに蔦重だったらどうするんだろうとか、自分だったらこうするけどとか、お互い背中を押し合っているという気持ちでもいます。

――第17回以降の注目ポイントを教えてください。

商いの話がより本格的になって、会話劇が中心になります。会話劇には技術がいるのでしっかりと高めて、そこを皆さんに楽しんでいただけるように今から心がけています。

また、この時代は景気がよくなかったので、今の時代と重なる部分もあるんです。蔦重はそれでも明るく、世を元気にしようとしているので、見てくださる方々に寄り添いつつ、蔦重を見ていると明日が来るのが楽しみだなと思ってもらえるように、いまも蔦重を生きています。