「フォーカルポイント」をつくるだけでもいい

特に部屋に「最初に視線が行く場所」がしっかりつくってあると、第一印象がグっとよくなり、すてきな部屋に見えます。

「最初に視線が行く場所」とは、玄関のドアを開けると見える正面の壁、リビングに入ったときに目が向かう場所、あるいはトイレに入った際の正面の壁などです。

正面にかぎらず、目を引く美しいインテリアや飾りつけがあればそこに最初に目が行きます。これが、「フォーカルポイント」です。

ドアを開けたときに最初に目が行くフォーカルポイント。(写真:『イギリス人の部屋はなぜ物が多くても素敵なのか』より)

そして、モノがたくさんあるのに、ごちゃごちゃしている印象はなく「なんだかおしゃれ」な家もイギリスにはたくさんあります。いわゆる「外国っぽい」感じです。そのようなインテリアを目指したい人もいるでしょう。

その場合も、キャビネットの上の写真や置き物、壁いっぱいのアート、たくさんの色や柄の布製品など、もちろんたくさん「足して」います。

ですが、ただモノを足しているのではなく、「視線が行く場所」をいくつもつくっていて、モノが多い中にもメリハリをつけているのです。

『イギリス人の部屋はなぜ物が多くても素敵なのか』(著:飯沼朋子/飛鳥新社)

こういったアイテムは最初から計画的に置かれたものばかりではなく、時間が経つにつれ、少しずつ増えていくことがよくあります。

部屋に飾る写真がわかりやすい例です。

自分や家族の写真が時間と共に増えていき、目に入るたびに楽しかった思い出がよみがえってきてホッコリしますよね。

「足す」ことにより、目と心を楽しませるアイテムを少しずつ増やしていくのはインテリアの楽しみの1つです。

1つずつ足していくことでインテリアをつくり上げていく――。

「足す」とは、あなた、そして家族の歴史の積み重ねでもあります。