「引き算」の美学を持つ日本人

一方で、私たち日本人はどうしても引こう、引こうとしてしまいます。なぜなら、日本人は、文化的に引き算の美学を持つ民族だからです。

日本風の家屋には、柱やふすま、障子、畳などで縦横のラインがたくさん存在し、建った時点ですでにインテリアデザインが完成しています

一方、イギリスなどヨーロッパ諸国の場合、家を建てた時点では、白い壁と白いドアしかない、のっぺらぼうの状態です。

だからこそ、家具や布製品で利便性や快適性を整え、壁の色や柄、インテリア小物などによって部屋を部屋らしくつくっていく必要があります。「足し算」のインテリアが発展した理由です。

次のイラストを見れば、インテリアデザインのスタートが違うことは一目瞭然ですよね。

<『イギリス人の部屋はなぜ物が多くても素敵なのか』より>