集中できなくなった理由

そんな時にADHDの記事を見かけた。「まるで自分のことが書かれているようで気味が悪かったくらいです。まさに今感じていることそのままだった」それで自分がADHDなのかどうかを確かめるために精神科を受診したのだった。

精神面のテストを受けてもらい、何度も話を聞いて生活がうまくいっていた頃のことも詳しく語ってもらったところ、「ADHDかもしれない」という予測は、ある意味正しいだろうと私も思った。ADHDのグラデーションの濃い所にいて、そのために大きな問題を抱えている。しかしそれは「運動をしていない時限定」だった。

『多動脳:ADHDの真実』(著:アンデシュ・ハンセン 翻訳:久山葉子/新潮社)

定期的なランニングが自己治療のような形でADHDの症状を抑えていたのだろう──私はそう説明した。それがランニングをやめたことで症状が表れた。

だからこれ以上ADHDかどうかを調べるよりも、膝を痛めていてもできる運動を見つけようということになった。人と競い合ったりスタイルを良くしたりするためではなく、「集中力の薬」として運動しようというわけだ。