【Q】年々、重い腰があがらなくなってきた
A 1日1ヵ所に絞って片づけを続け、「片づけ脳」を育てよう
片づけにはさまざまな「力」が必要とされます。モノの要・不要を見極める「判断力」、捨てる・捨てないを決める「決断力」、また、適切に処分したり、使いやすく収納したりするには「体力」や「思考力」が必要です。
ところが、片づけに必要な体力や判断力は加齢とともに確実に低下します。「いつかはやらなきゃ」と思うけれど、腰が重くて動き出せないという人は多いのではないでしょうか。
そんなときぜひ試してほしいのが、引き出しを1日に1段だけ片づけること。文房具やカトラリー類を入れる大きさの引き出しなら、30分もあれば作業が終わります。
そして、たとえ1ヵ所でも不要なモノを処分してその場所が整うと、気持ちがスッキリしてまた頑張ろうという意欲が湧いてくる。1日1段の片づけを習慣にすれば、1年もしないうちに家中の引き出しがきれいになります。
ポイントは、「今日は3段片づけよう」など欲を出さないこと。頑張りすぎると、途中から片づけがストレスになって交感神経が過剰に働き、自律神経が乱れてしまうからです。無理をしないことが「片づけ脳」を育み、継続させるコツと覚えましょう。
「家族に《ちらかし魔》が!」「実家の片づけが気がかり」へのアドバイスは…
小林弘幸
順天堂大学医学部教授
順天堂大学医学部教授。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。
1960年、埼玉県生まれ。87年、順天堂大学医学部卒業。92年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任する。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わる。また、順天堂大学に日本初の便秘外来を開設した“腸のスペシャリスト"でもあり、みそをはじめとした腸内環境を整える食材の紹介や、自律神経と腸を整えるストレッチの考案など、様々な形で健康な心と体の作り方を提案している。『医者が考案した「長生きみそ汁」』、『結局、自律神経がすべて解決してくれる』(アスコム刊)などの著書のほか、「世界一受けたい授業」(日本テレビ)や「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBSテレビ)などメディア出演も多数。