文部科学省によると、令和5年度の小・中学校における不登校児童生徒数は34万6,482人で過去最多となったそう。しかし、自身も不登校経験者である不登校ジャーナリスト・石井しこうさんは、「学校へ行っても行かなくても、結果的にはあまり関係ありませんでした」と語ります。そこで今回は石井さんの著書『学校に行かなかった僕が、あのころの自分に今なら言えること』から一部を抜粋しお届けします。
不登校の理由で一番多いのは何?
不登校の理由で一番多いのは何か。「具合が悪かった」「朝、起きられなかった」という体調不良をあげる人がもっとも多いでしょう。しかし体調不良は「理由」ではなく結果であり、1つの現象にすぎません。
一方、文科省はどうとらえているでしょうか。
文科省の調査によれば、不登校の理由は「無気力」や「やる気が出ない」など、本人に原因があるかのような理由がトップです。この結果には多くの専門家が疑問を投げかけています。
そもそも文科省調査は不登校した本人ではなく教師が回答しているため実態とズレやすいんです。そして「無気力」や「やる気が出ない」というのも、結果(現象)であり理由ではありません。何かしらの理由があって、学校生活に対して「やる気が出ない状態」に至ったのですが、その理由が見過ごされています。