文部科学省によると、令和5年度の小・中学校における不登校児童生徒数は34万6,482人で過去最多となったそう。しかし、自身も不登校経験者である不登校ジャーナリスト・石井しこうさんは、「学校へ行っても行かなくても、結果的にはあまり関係ありませんでした」と語ります。そこで今回は石井さんの著書『学校に行かなかった僕が、あのころの自分に今なら言えること』から一部を抜粋しお届けします。
親の態度にモヤモヤ。「行かなくていい」と言われても……
「学校なんてもう古い」「塾で勉強すればいい」「フリースクールへ行けばいい」と親から言われてモヤモヤして、なんだか傷ついた、という話。実は、取材でもよく聞いてきました。
あなたはただ、「苦しかった」という気持ちを聞いてほしかっただけですよね。吐き捨てるように「学校なんて行かなくていい」と言われても、その苦しかったプロセスを否定された気持ちになるのです。
15歳から25歳の若者を対象にアンケート(認定NPO 法人D × P による調査)をとったところ、「学校に行かなくてもいい」という大人のメッセージに「モヤモヤする」「よくないと思う」と回答した人は40.1%いました。「よくないと思う」と回答した理由としてあげられたのは「学校に行かなくていいと言うだけでは無責任」「腫れ物にさわるように優しくされてる気がする」といった意見。一方、「よいと思う」と回答した人は45.3%。「自分を苦しめてまで行かなくてもいい」などが理由としてあげられていました。
結果を受け、D × P は「休めばいい」「行かなくちゃいけない」と一概に言うのではなく、まずは本人の気持ちを受けとめ、否定せずにかかわり、ともに考えていくことが大事だと訴えていました。