あの時期に得たものが人生の原資になっている

今の自分は「何もできない」とあなたは思うかもしれませんし、私も同じように思っていました。自分はダメ人間だなと。

ただ、振り返れば、あれは「闘い」でした。受け入れがたい事実と相対したときにどうするかと考える。これは人生にとって避けられない闘いの1つみたいなんです。

そして希望が1つあります。不登校の先輩でもある映画監督・押井守さんは、学校へ行かず布団のなかにいた時間について語っています。

「あの時期に得たものが人生の原資になっている」 と。きっとあなたも同じような時間を送っているはずです。両親はまだ焦りもあるので、あなたの闘いを理解するのに時間が必要かもしれません。でもきっとわかってくれる日がきます。あなたは「何もできない」と闘っているのだと。健闘を祈っています。

しこうポイント!
立ち上がれないけれど、あなたは闘っているんです

※本稿は、『学校に行かなかった僕が、あのころの自分に今なら言えること』(大和書房)の一部を再編集したものです。

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学校に行かなかった僕が、あのころの自分に今なら言えること』(著:石井しこう/大和書房)

行けなくなって思ったのは、「人生詰んだな」ということでした。でも、ちがいました。

不登校者の「ホンネ」を誰よりも知る著者が、今、悩んでいるあなたに届けます。