「共通の楽しみができたことが大きいように思います。3年ほど前に雑誌で《友だち近居》の記事を見かけ、近くに住む職場の友人と2人で『こういう関係は素敵だね』と話していたんです。そこで私が発案し、友人と峰さん、そして近所に一人で暮らす義妹の4人で、読書会のグループを発足させました」
以来、月に1度のペースで集まり、雑誌の記事を題材に意見交換を楽しんでいるという。
「大型台風に見舞われた日には、緊急で峰さん宅に集合。ニュースに耳を傾けつつ、鍋を囲んで楽しく夜を過ごしました。峰さんは少し不安げな様子でしたが、義妹が『今日はここに泊まる』と言ってくれて。後日、峰さんは心強かったと嬉しそうに話していました。義妹も人とのかかわりをあまり求めないタイプでしたが、今や私より頻繁に峰さんと会っていますよ」
佐治さん自身は「近すぎる人間関係は昔から苦手」と言いつつ、峰さんへの感謝の気持ちは本人に直接伝えているとか。
「先日、『峰さんに出会えてよかった~』と伝えたら、『私もよ。孤独に強いと自負していたけど、今は佐治さんがいなかったら寂しいし心細い』と言ってくださいました。このご縁に、心から感謝しています」
佐治さんからは、峰さんがケガをしたり体調を崩したりした時には力になりたい、という頼もしい言葉も飛び出した。
「もしもの事態に備えて、いずれは家の鍵を預からせてもらいたい。ただ、峰さんは心身ともにしっかり自立しているので、時期尚早かもしれません。今はまだ、つかず離れずの距離感を大切にしたいと思っています」