今田美桜さんがヒロインを務める連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合/毎週月曜~土曜8時ほか)。子どもたちの人気者・アンパンマンを生み出したやなせたかしと、妻・暢の夫婦をモデルとした物語です。<朝田のぶ>を今田さん、<柳井嵩>を北村匠海さんが演じています。のぶの妹・蘭子を演じるのが俳優の河合優実さんです。控えめな性格でせりふが少ないキャラクターですが、河合さんは視線や仕草、表情で蘭子の感情を表現。出征する豪(細田佳央太さん)から求婚され、思いが通じあったシーンは作中屈指の名場面となりました。河合さんに蘭子役への思いを聞きました。(取材・文:婦人公論.jp編集部)
のぶより頑固かも
朝ドラの出演は初めてです。蘭子は朝田三姉妹の次女で、おとなしく見えますが、控えめ一辺倒にならないようにしたいです。また、『あんぱん』で描かれている時代では珍しく、蘭子は反戦を表明しています。もしかしたら、のぶよりも頑固かもしれません。絶対曲げない信念を持った人だということも表現したいと思っています。戦後80年の今年、あの時代にノーと言える人を演じることができたのはすごく意義があることだと感じています。
蘭子と同じように私も三姉妹で、次女ではなく長女ですが、私はのぶみたいな姉だったかもしれないと思っています。下のきょうだいのことを考えずに自分の進路を決めてきました。蘭子は、家族を陰で支え、家族が幸せになるように動ける人。私は大人になってから、一歩引いてみんなを見ることができるようになったので、今やっと蘭子のような視線が持てるようになった気がしています。