のぶへの思いに変化

――社会が戦争へと突き進み、町の人たちは豪の死を誇りだという。のぶの教え子も豪の弔問に訪れ、愛国心を見せる。豪の死を誇りに思うよう蘭子に伝えるのぶ。蘭子とのぶは言い合いになる。

男の子は戦争に行って女の子は銃後で支えるべきだ、とのぶは子どもたちに教えなければなりません。蘭子は、のぶに反発します。反戦は、いま当たり前の価値観であってほしいですが、蘭子の言葉で改めて伝えることは意義があると思いました。「戦死して立派だなんてうそっぱちだ」というセリフは特に大切に感じていました。豪ちゃんは死んでしまったから何も言えない。軍国主義に傾くのぶや世の中に、また、ドラマを通じて今の世界に、私が強い気持ちで伝えないといけない、と感じていました。

(『あんぱん』/(c)NHK)

 

のぶは蘭子にとって、「自分の道をぶれずに進むかっこいいお姉ちゃん」でしたし、「お姉ちゃんの夢は自分の夢」と思って背中を押してきました。それが大人になるにつれて、決定的に考え方が違ってしまった。自分の身にも覚えがあるし、家族でも受け止め方が違うことはある。それでもこれから、どういうやり方で家族としてつながりなおしていくのかなと思っています。