筆者の関容子さん(左)と(撮影:岡本隆史)

仲代さんは俳優という呼び方を好まれない役者、とお見受けした。そのこだわりは、なぜなのか。

――だって自分以外の何かになって、役によって変わっていかなきゃいけないんですから。だから役者なんですよ。僕は俳優って言葉は使いたくない。

イプセンの名文句に、世に役者ほど嘘つきはいない、っていうのがあります。思えば罪なですね、役者って。

 

お客は喜んで騙されに来て、心地よく騙されて帰るんだからそれでいいんだと思います。

――ああ、なるほどね。これからも騙し続けられるだけ騙しましょう。

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