「金メダルが当たり前」というプレッシャー
梨紗子 よくルーティーンは? と聞かれるけれど、倖田來未さんの音楽だよね。
友香子 うん。自由時間はもちろん、試合の前には絶対に聞く。
梨紗子 一度、金沢市の放送局の企画で倖田さんとお会いしたことがあり、それ以来、倖田さんが試合に来てくださるようになって。
友香子 私たちも二人でライブに行かせてもらって。
梨紗子 今はお互い一人暮らしだけど、近くに住んでいるから休日は一緒に買い物も行くよね。こう話すと、仲がいいと思われるけど、今も喧嘩はしますよ。私は思ったことをバンバン言うほうなのですが、友香子はおとなしくて内に秘めるタイプ。
友香子 性格が全然、違うんです!
梨紗子 だから合宿や遠征で姉妹だからと同じ部屋にされると、ちょっと鬱陶しくなってしまって。(笑)
友香子 そうだね。(笑)
梨紗子 18年にパワハラ疑惑があり大学を離れていた栄監督も、12月の全日本選手権を前に復帰してくれました。東京五輪の目標は、友香子と二人で金メダルを取ること。過去、オリンピック種目に女子のレスリングがなかったことを考えると、本当に私たちは恵まれている。
女子レスリングは競技人口も少ないし、オリンピックでの歴史も浅いことから、軽視されていた時代もあったと思うんです。でも、吉田さんや、伊調姉妹、浜口京子さんらが活躍して女子レスリング界を盛り上げてくれた。私も盛り上げる一人になりたいです。
友香子 みなさん、世界選手権やオリンピックで何連覇もしている。
梨紗子 だから、「金メダルが当たり前」みたいにハードルが上がっている(笑)。プレッシャーもありますけど、この日本で開催されるオリンピックは、やはり重みが違う。
友香子 その舞台に立てるだけで幸運だと感じます。メダル獲得を目指して、今は練習を積み重ねていきたいです。