話題は芝居から政治の話まで

角野 一応、番頭の僕から読者の皆さまに「西荻の会」の沿革を説明しますと、2001年から16年まで放送された『多摩南署たたき上げ刑事・近松丙吉(ちかまつへいきち)』という伊東さん主演のテレビドラマがありまして、私は上司の刑事役でございました。

その3話目にゲスト出演したのが、Bさん(佐藤さん)。以前からBさんと私は交流があったし、撮影が終わる時間が一緒だとわかったから、「これから飲みに行こう」と出かけたんです。そしたら翌日の撮影の時に伊東さんが……。

伊東 私を残して、先に帰って2人だけで飲んだらしいとマネージャーから聞いて、無性に腹が立ったんだよ(笑)。「なんで俺を誘わないの? なんで?」って気色ばんだわけです。

角野 普段、伊東さんは声を荒らげたり怒ったりすることって、まずないですからね。

伊東 あの時なんで人格が変わっちゃったのか、医者に診断を仰ぎたいくらいです。それで、「今日は一緒に終わるから、俺も連れていけ!」って威張ったの。そんなふうにして始まった険悪な会なんです。(笑)

佐藤 伊東さんには、僕が主宰している「劇団東京ヴォードヴィルショー」の芝居に何度か出ていただいていたので、千秋楽の打ち上げはご一緒したことがあったけど……。

角野 尊敬する大先輩ですから、気軽に「飲みに行きましょう」なんて言えませんよ。でも伊東さんから切り出してくださったから、「いいんですか? だったらぜひ参りましょう」って。その日は1軒じゃ済まなくて、3軒目の西荻の居酒屋でお開きになった。てっぺんも過ぎていたし、僕はベロッベロに酔っぱらって記憶がない。

佐藤 あなたは、いつもそうでしょう。