食道静脈瘤破裂の典型的な亡くなり方

お酒に含まれるアルコール成分の多くは、肝臓で代謝されます。このとき、血管内の脂質もアルコールによって肝臓へと運ばれ、蓄積されて「脂肪肝」になります。

溜まった脂肪組織は柔らかく壊れやすいので、肝臓はそれを補修しようと線維を増やして硬くなり、「肝硬変」となります。

『こんなことで、死にたくなかった: 法医学者だけが知っている高齢者の「意外な死因」』(著:高木徹也/三笠書房)

すると肝臓を通る「門脈」という血管が通りづらくなって、血液が別の血管を迂回するようになるのです。

その迂回先の一つが「食道静脈」という血管。本来血液量が多くない血管に多量の血液が流れ、瘤を作り、それが破裂し吐血する……というのが、食道静脈瘤破裂の典型的な亡くなり方と言えます。