多量飲酒は全身各所に悪影響を及ぼす

アルコール依存症に陥ると、毎日お酒を多量に飲み続けることで、脂肪肝や肝硬変以外にも「膵炎」「アルコール性心筋症」「ウェルニッケ脳症」などの病気を引き起こしやすくなります。

突然死の原因としては、肝硬変や食道静脈瘤破裂が代表的で、なかでも食道静脈瘤破裂は、周囲に黒い血液を吐いた状況が認められるのが特徴です。

お酒には一時的にイヤなことを忘れさせ、多幸感をもたらす精神的効能はあるかもしれません。しかし、多量飲酒は肝臓だけでなく、脳、心臓、膵臓など全身各所に悪影響を及ぼします。また、感情にも抑制が利かなくなることで、家族に迷惑をかけ、下手すれば警察沙汰になることも珍しくありません。

寂しさに負けないためにも、生涯続けられる仕事や趣味を見つけ、充実した第二の人生が送れるように、定年退職の前から計画を練っておくことも大切です。

・定年退職後の人生設計を考える。

・酒量が増えたことによる症状があれば、早期に受診する。

・そもそもお酒は、ほどほどにたしなむ。

 

※本稿は、『こんなことで、死にたくなかった: 法医学者だけが知っている高齢者の「意外な死因」』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

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こんなことで、死にたくなかった: 法医学者だけが知っている高齢者の「意外な死因」』(著:高木徹也/三笠書房)

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