自分は「相当疲れている」と自覚した夜
ある夜、いつものように遅い時間帯の電車に乗り、周囲には酔っぱらっている人もいる中、最寄りの駅に到着しました。
当時は磁気の定期券を利用していましたが、改札で定期券の代わりに自宅の鍵を挿入しようとしていたのです。
すぐに気付いて定期を入れ直しましたが、金属でできている普通の形状の鍵と、プラスチックカードの薄い定期券を間違えるなんて相当疲れているんだなとさすがに自覚しました。
自宅でも会社の携帯電話を常に手元に置いていて、起きている限り何時でも電話を受けていました。
当時付き合っていた人には、私が就寝後に突然起きたと思ったら、正座をして空中に向けて誰かと話をし、パタッと倒れるようなことが何度もあったと指摘されました。
異常な緊張感で、寝ていても心が休まっていなかったのでしょう。ちょっとしたホラーです。
会社にはうつ病で休職する人もいましたし、ブラック労働の中で生き残ったサバイバーの先輩からは「この仕事は、新卒5人のうち2人は辞めて、2人は病気になり、生き残れるのは1人だけ」という話も聞き、いよいよもって「今度は自分の番ではないか?」と思うようになります。