時間は限られている
でもそこは次男、別人格なので、なかなか言っても伝わらない。
ただ、いよいよ本当に負けたチームが実際に引退、となって現実に目の前で起こり始めてきたせいか、このところ瑛介の口から熱い言葉が飛び出すことが多くなった。なんなら食事中に箸を止めて、熱〜い思いを語り始める。
「考えてみたらこのチームに入ってきた時…」
「2年の時のあの試合で本当に悔しい思いをしたからこそ…」
「母さん、オレ将来選手として長くやっていくために、いま…」
早う箸を動かせー!!
せっかく母が作った夕食がすっかり冷めてしまうではないか。
なんのこっちゃ。今は早く食べ終えてサッサと宿題をやっておしまい!
毎日こんなふうである。
練習も週末や平日合わせると密度も高めで、学校行事や試験などもあってなかなか忙しい。
『時間の使い方を制するものが本当の成功者だ』(私自身一番できていない事を…)
と言って聞かせて育てたつもりが、よくもまあこんなにやることいっぱいあるのに、そんなことする時間はあんだな!?と
イライラさせられることばかり。
ただ日常生活の一つ一つ、野球のためには絶対ケガや病気になってはいけないと、かなり慎重に集中して送るようになった。
今は何がなんでも、それだけは避けなくてはならない!
素振りも走り込みも、ノック一つにしても、3年生がメインで練習できる時間はもう限られているのだ。