「汚ねえやり方もアリだって」

「はあ?」と西村屋が反応すると「汚ねえやり方もアリだって教えてくれたのは西村屋さんですから」と切り返した蔦重。

すると西村屋は「『雛形若菜』が滑り出したのは西村屋の後ろ盾があったからじゃねえか! 私がいなきゃ、途中で潰れてたじゃないか」と言い返します。

対して西村屋の目をまっすぐ見据えた蔦重。

「おっしゃるとおりで。なんで此度は名をお借りせず、己の力で作ろうと!」と袖をまくってこたえます。

「随分偉くなったもんだ」と苦笑いをした西村屋。それから錦絵商いはお前が持っているほど甘くはないと言い捨てると、そのまま店を去っていきました。