あふれ出す後悔
妻の義姉も認知症を患った夫を介護していた経験があった。「介護期間の違いはあるが、少しでも私たちの経験で助けてあげられていれば」。元教授の弁護人にそう語ったという。
周囲に相談していれば。夫婦だけで抱え込むことがなければ──。
被告人席でひとりになった元教授と、その小さな背中を見つめる法廷に後悔の念があふれ出した。
※本稿は、『まさか私がクビですか? ── なぜか裁判沙汰になった人たちの告白』(日経BP)の一部を再編集したものです。
『まさか私がクビですか? ── なぜか裁判沙汰になった人たちの告白』(著:日本経済新聞「揺れた天秤」取材班/日経BP)
私たちの日常は意外に怖い。身につまされて学びになるリーガル・ノンフィクション。
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