カナへの不満が募っていった

カナには姉と兄がいて、親は大きな建築会社を営んでいる。裕福な家の末っ子としてのびのびと育った彼女は流行に詳しくオシャレで、ちょっと生意気で甘え上手で、どこにいてもムードメーカーだった。私たち以外にもあちこちに友達がいて、休日に会うと知らない子をたくさん紹介された。

そうか、私の他にも友達がいっぱいいるんだね。そりゃそうか。カナは私と違って人気者だもんね。

いつも素直で無邪気でいられるのは愛されて育ったからなんだろうな。
自分が持っていないものをたくさん持っている彼女が羨ましかった。彼女の人生は私に比べてどれだけ楽しく、豊かなんだろう。

いやいや、せっかくいい友達ができたんだ。感謝しなきゃ。妬むなんておかしい。こんな私の友達でいてくれるだけで十分。

好きな遊び、好きな歌手、好きな男性のタイプ。聞けば聞くほど私とは反対だった。だんだん彼女のわがままなところ、考えずに行動してすぐに飽きるところ、努力しないところなど、いろんな面が気になり不満が募っていった。

「彼氏がムカつくんだけどどうしたらいい?」「だるくて宿題やってない。写させて?」
すぐ頼ってくる彼女に「しょうもない彼氏。ほっとけば?」「それぐらいやりなよ」と思ったが、改善する気のない無駄な愚痴をいつまでも聞いたし、毎日宿題を写させてあげた。