ミャンマーでは……
応用問題として、参考事例のミャンマーではどうだろうか。ミャンマーの調査時期は2020年1~3月だったことを念頭において見てみよう。
途上国ではめずらしくないのであるが、ミャンマーでは種々の組織・制度への信頼度が概して高い。仏教信者が多いという背景から宗教団体への信頼度は特に厚い。先進国では低いのが一般的な政府、議会、政党といった政治組織についても決して信頼度は低くない。
こうした中で、ミャンマー国民の軍隊に対する信頼度を見ると33.3%と他の組織・制度と比較して非常に低く、スーチー氏が率いていた政府と比較しても低さが目立っていたことが分かる。
クーデター後のむごたらしい民衆弾圧も、信頼度の低い軍隊は、統治のためにはむき出しの暴力に頼るしかなかったためと理解できるのである。