効率の良いコンテンツの量産体制
― 編集者が自らMCとして出演することに抵抗はありませんでしたか?
村井:出演を決断するまでにはいくつかの段階がありました。毎日1本動画を作るとなると、外部アナウンサーを使っていたらものすごいコストと手間がかかります。だから、まずはいつでも稼働できる人を中に置く必要があったのです。経済的なことを考えると、自分が出たくないという選択肢は、その時点でなくなりました。コンテンツの量を確保するために出ざるを得なかったのです。
― 量産体制を築くコツは?
村井: まずはフォーマットを固めることが第一です。撮影場所を毎回変えたり、会議室を予約したりしていては大変です。たとえば、大物ゲストをこの時間につかまえられたけど、場所が空いていなければ撮影できません。だからこそ、すぐに撮影できる環境と、番組の基本フォーマットを決めることが重要です。そうすることで、出演者の部分だけを入れ替えて効率よくコンテンツを量産することができるようになります。
― 「YouTubeで儲かるの?」とよく聞かれると思いますが、どう答えていますか?
村井:私たちが目指しているのは、再生回数で稼ぐ「YouTube運用型広告」ではありません。タイアップ広告(案件広告)なのです。雑誌には実売収入と広告収入という2つの収益源がありますが、紙に入らなくなってきた広告を代わりに動画で入れてもらう。紙の広告が減っていく中で、その機能を動画という「器」を作って代替しているのです。タイアップ広告が中心なので、雑誌ビジネスの延長線にあるのです。