「ここ、いいよね」と言われるメディアに

―文藝春秋PLUSの今後の展開は?

村井:文藝春秋PLUSは月刊文藝春秋の兄弟メディアだと思っています。どれだけ動画が大きくなっても、仮に売上が紙と逆転しても、「文藝春秋の動画」というスタンスは崩れません。文藝春秋とは誌名であり、社名でもあるのですが、将来的には、会社全体を包括するような動画メディアにしていきたいですね。文芸部門の小説家に出て頂いたり、ナンバー、クレアなど弊社のほかの雑誌ともコラボレーションしていければと思っています。

―収益面での展望は?

村井:2025年現在、広告の出し先として動画は最大のフィールドになりつつあります。大事なのは「文藝春秋PLUSは面白い」「ここに広告を出したい」と思ってもらえるファンベースを作ること。再生回数が回っているけど、過激なコンテンツで嫌いな人も半分いるようなチャンネルではなく、「ここ、いいよね」と言ってくれる視聴者をどんどん増やしていきたいと考えています。それが結果的に、企業が安心して広告を出せるメディアになるのではないでしょうか。

撮影:本社・武田裕介

編集後記
村井さんは、6年前に文藝春秋でnote導入を主導された方でもあり、雑誌Webメディア領域の先駆者として活躍されてきました。 時代の変化に向き合い、「バズる」と「信頼される」のあいだを真摯に模索しながら進んでいる姿勢から、多くの学びを得られました。ご協力いただいた皆さまに心より感謝いたします。記事と動画、ぜひ両方でお楽しみください。

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