転倒リスクを減らす「3つの身体機能」
小林:そこで“ゴルフ”の登場です。実は、ゴルフは転倒リスクを減らすために必要な「3つの身体機能」を同時に高めてくれる理想的な習慣なんです。
まず1つ目が「下半身の筋力」、特に足腰です。ゴルフ場はアップダウンがある。そのうえ、1ラウンドで7〜10km歩くこともあるので、太もも、ふくらはぎ、足裏まで、下半身がまんべんなく鍛えられます。
平井:しかも、歩くだけじゃなくて、スイングでは股関節をひねったり、片足に重心をかけたりする動きが加わりますよね。歩行+体幹の連動というか。
小林:そうなんです。まさに2つ目がその「体幹・姿勢」。
ゴルフではスイング中に骨盤を回したり、背筋を伸ばして構えたりするので、自然と姿勢が良くなる。猫背だった方が、ゴルフを始めてから背中がピンと伸びて、見た目が5歳若返ったというケースもありますよ。
そして、3つ目が「バランス力」。
バンカーや傾斜地など不安定な場所からのショットでは、無意識にバランスを保とうとしますよね? それがまさに、“転ばない体”を育てるための訓練になっているんです。
平井:たしかに。しかもそのバランス感覚って、「今、自分の体がどこにあって、どう動いているか」という“身体感覚”も養われますよね?
小林:おっしゃる通りです。そしてそれが非常に大事。身体感覚が鋭くなると、たとえば「つまずいた瞬間」にも、すぐに足や手が反応して転倒を防ぐことができる。しかも、ゴルフではこうした身体操作を“自然に・楽しく”鍛えられるというわけです。