亡くなった時の所持品は
話が逸れてしまったが、このヨハネ・パウロが26年の任期を経て亡くなった後、選挙で選ばれたのはドイツ出身の教皇ベネディクト16世だった。私はこの教皇とも以前とある素っ頓狂な状況で会ったことがあるのだが、文字数が足りないので端折る。
ベネディクト16世は高齢を理由に600年ぶりに存命中に退位、その後に選ばれたのが今回亡くなったアルゼンチン出身の教皇フランシスコだが、教皇になっても驕らず、司祭になる前には熱愛した彼女がいたとか、サッカー好きという大衆的側面から彼を慕う人は多く、いくつかの映画やドキュメンタリー作品にもなっている。
教皇フランシスコが亡くなった時の所持品はわずか3つ。アルゼンチン人の職人が作った履き古した革靴と、カシオの時計。それと聖書。埋葬も本人の意思どおり、慎ましく簡潔に執り行われた。
カシオ愛好者の夫は「僕のせいで」とわざとらしげに嘆いていたが、長きに及ぶカトリックの歴史がこの特異な教皇を経て、今後どのように変化していくのか気になるところである。
『歩きながら考える』(著:ヤマザキマリ/中公新書ラクレ)
パンデミック下、日本に長期滞在することになった「旅する漫画家」ヤマザキマリ。思いがけなく移動の自由を奪われた日々の中で思索を重ね、様々な気づきや発見があった。「日本らしさ」とは何か? 倫理の異なる集団同士の争いを回避するためには? そして私たちは、この先行き不透明な世界をどう生きていけば良いのか? 自分の頭で考えるための知恵とユーモアがつまった1冊。たちどまったままではいられない。新たな歩みを始めよう!