美人は人生丸ごとイージーモード
美人として生まれた人たちは、一体、人生をどう思っているんだろうか?
小学校のころ。私が必死に勉強してテストで100点をとってもクラスのみんながちっとも仲良くしてくれない中、美人で明るいミオちゃんは「おまえ56点かよー!」とみんなに茶化されて楽しそうにしていた。うるさく茶化している男子たちは、みんなミオちゃんのことが好きそうだった。
56点なのにチヤホヤされるなんて一体どういうこと? じゃあもう何点でも同じだ。美人はきっと0点でもチヤホヤされ、ブスは100点だろうと気にも止められない。
何をとってもかわいい子が優遇されていた。先生は明らかにかわいい子を贔屓していたし、学芸会でヒロインを演じるのもかわいい子(私は松の木の役)で、クラスのヒエラルキーのトップももちろん顔のかわいい子だった。
中学、高校、20代と成長するごとにそれはどんどんあからさまになる。美人はそれだけで恋愛も友達も仕事も人生丸ごとイージーモードなんだろうなと思う。
経済学者のダニエル・S. ハマーメッシュ氏は、著書『美貌格差ー生まれつき不平等の経済学』(東洋経済新報社)にて、容姿が美しいと人生で実際にどのくらいお得なのかを述べている。
見た目だけで生涯年収になんと2700万円の差が出ること、美貌がどんな風に収入に影響するのか、人付き合いや結婚、生まれてくる子どもにどう影響するのか、職業ごとの容姿による影響の違い、年齢や性別、人種ごとによる違いなど、あらゆる面から20年以上研究し、結論として容姿の美しい人はそうでない人に比べて非常に得をしているという結果を導き出している。
やっぱり! その他の部分の能力が同じなのだとしたら、誰だって美しい人を選びたいに決まっている。
美人な分、周りからの嫉妬が多いとか、ストーカーの対象にされやすいとか、老いて突然チヤホヤされなくなったとき、その温度差や執着心が辛いとか、美人には美人なりの苦労もあるのかもしれないが、それでもこちらからすると羨ましくて仕方がない。それでもいいから美人に生まれたかったとしか思えない。