まだまだ「ありのままで」なんて思えない
他人が美しいことで自分の価値が損なわれるわけではないのに、何かを奪われてしまう気がして不安に思い、彼女たちが自分よりも得をしていることに腹を立てた。努力していないはず、どこかに欠点があるはずと粗探しをし、引きずりおろそうとしてしまう。
私はまず心がブスすぎる。
例えば「私はありのままで美しい」と強く信じられていたら、こんなふうに感じずに済むのだろうか?
最近ようやく社会が少しずつ変わりそうな気配を見せているが、まだまだメディアも経済も、目が大きく鼻が高く色白で胸が大きくウエストの細い女性を「美しい」の基準にしているように思えるし、『美貌格差』にもある通りエッセイストでも美容師でも会社員でも専業主婦でも、その他どんな環境にいても、美しい方が好かれるし優遇されているのが事実だ。
子育ても落ち着き、誰に見られるわけでもない今、私にはもう必死に容姿を着飾る必要はないのかもしれない。
それでもまだまだ「ありのままで」なんて思えない。
自信のなさや美人への嫉妬がいつでもドロドロと渦巻いていて、また新しい美容系のインチキ広告に惹きつけられたり、他人の写真に加工がされているかどうかを血眼になってチェックしたりしてしまうのだ。
ああ、もっとキレイになりたい。