バラエティーとドラマ

演技のお仕事もバラエティーのお仕事も、緊張するという意味では変わりません。

ただし、バラエティーは準備らしい準備ができないんですよ。 本当にまっさらな状態から進んでいく。いくら先のことを考えても、決して自分の思い通りになりません。

でも演技の仕事は逆。求められた通りの役割をちゃんとこなさないといけない。

バラエティーだと失敗したことがむしろ笑いに繋がって良かったね、ってこともある。でも演技での失敗はただの失敗。周りの皆さんに、ほんとにすいませんって。そこが全く違います。

演技についてはまだ楽しむ余裕が本当になくて。 今回の役ももっとこうやっとけばよかった、廣年という人について、もっと深く知ってから演じればよかった、とか終わってから思ったりして。またいつか出番があることを期待しています。

おかげさまでお仕事のオファーも増えてきました。

どうしてそうなれたの、と周りから聞かれることもあるんですが、むしろ僕1人だと何もできないことは分かっていて…。周りの皆さんが面白く扱ってくださって、面白く放送してくださって。皆さんに助けられている、といったほうが適切かもしれません。

思えば、若いときにあった「もっとこうしたい」「ああしたい」っていうのがみんな叶わずに終わってしまって。「自分一人では何もできないんだ」と諦めたことが幸いして、今の状況に繋がったのかな、とも感じています。

もちろん、僕も僕なりに一所懸命生きてきたんだけど、それでも俳優さんと演技をする、なんていうことは想像したこともなく、気がついたらたまたま、という感想しかありません。一つ挫折してもう少し頑張ろう、一つ挫折してもう少しだけ頑張ろう、とやっているうちに気がついたら。

なので有名なドラマや映画に出たい、といった野望もまったくないのですが、僕自身が見て楽しめる作品というか、そんな作品を盛り上げる一部になれたら嬉しいなって、思っています。